換気
神戸から帰ってきた私は怒られた。
「家事を疎かにして旅行なんて」
「女にしかできないことでしょ」
「遊び呆けて、楽だよな」
湧き出た感情は誰にも言えないぐらい汚い。
お土産と私はその場にポツリと置かれていた。
そして心なしにか私は一人で泣いていた。
止まらない、止まらなかった。
iPhoneから流れるMOROHAの曲たち。
イヤホンから聴こえる恋人の声。
あの瞬間、自分は人間だと思った。
昨日で彼と付き合って半年になった。
人様に話せるような悲しみ苦しみはないです。
誰にも見られたくない涙
誰にも聞かれたくない声
誰にも話したくない悲しみ
全て受け止めあって支えあって、いまがある。
私たちは生温い関係と言われるかもしれないが、
生温いお風呂のほうが落ち着くよ。
ふたりでかけ湯をして、慰め合い励まし合い、
違う場所で戦ってる。
次会えるのは1ヶ月半後かな?
もうその時には1歳老けてるね。
会えない時間に思い出なんて作れないかもしれない。
でも会えない時間、思い合うことはできるよ。
君がいなければ、
いま私はこうしてベッドですやすや眠れない。
好きだよ、愛してる。
行動と共に伝えると燃え上がる言葉。
言葉だけは嘘っぽく聞こえる。
でもね、君の声に集中すると嘘か本当かわかる。
寂しいか嬉しいか、すぐにわかるよ。
どんなに思っても会えないから
せめて私のこころよ、飛んでゆけ。
ー優しく彼の頬にキスを贈ろう