開花宣言

桜が咲いた、満開だ

 

満開という言葉を聞くと

「散る」という言葉が浮かぶ

 

やだよ

散らないで

もっと見たい

綺麗なままでいて

そこからいなくならないで

 

桜って生命力の象徴だと思うの

毎日毎日 毎年毎年 姿を変えて

春になったらお化粧して

「こんなにも綺麗な私を放っておくの?」って

言われてるようで、少しゾクッとさせられる

 

「放っておくわけないじゃないか」と

語りかけようじゃないか

暑くて、蝉たちがうるさい夏をよく耐えたねと

寒い寒い冬を君はよく耐えたねと

私は語りかけようじゃないか

 

君がそんなに綺麗で儚く散ってしまうのなら

 

私は何度も語りかけるよ

 

だってまた春に花を咲かせるために

君は孤独になってしまうのだからね

 

そして君にとって「春」は君の全てじゃない

「春」は君の魅力が放たれる季節であっただけさ

 

まだ春は始まったばかりじゃないか

散らないでくれよ