バレエシューズ

こんな小さい足で私は立っていたんだ

心も身体も、もうどこにもない

ボロボロ

それなのにこの小さな足で前に進んでいた

走ってた

 

ママはどこにいるの

確か、私よりも足が小さかった

それなのに、強く強く生きていたね

 

泣いちゃだめって教わったの

だから人前では泣かないの

強い女になるって約束したから

 

泣いちゃう時は鏡の前だけね

自分は自分で慰めるの

そしたら強くなれると思うの

 

でもね

ぐちゃぐちゃになって

立てなくなったら、優しく背中を撫でて欲しい

そう言わなくても撫でてくれた優しさ

忘れない

 

あったかい冬は嫌い

しんとするくらいに冷たく涙ぐむような冬でいてほしい

そうしたらまた頑張らなくちゃって

思うからお願い

 

雪を見るとね、真っ赤な傘をさして

雪を食べたあの日を思い出すの

しもやけになりそうで、それでも楽しかった

あの日を

 

またこの小さな足で歩く

今日も明日もまた次の日も