入浴剤

音に溺れる

 

泡のように浮かんでる

ただそこにいて

揺れている 刹那

 

誰にも言えないこと

たくさんの秘密をひとつの体に

集めて、不安で苦しくなる

 

どうして秘密は隠し事は

増えるばかりなのに

私たちの体はひとつしかないの

 

苦しくてもう泡になって消えてしまえ

こんな罪、こんな不安

 

内側からドクドク聞こえる

これもわたしの知らないわたしの秘密なのかも

 

あの瞬間だけが

わたしを救ってくれる

でも刹那、泡みたいに

すぐにわたしから消えてしまう

 

いつかわたしは言ったの

あなたって布団みたいな人ねって

不安でいっぱいのわたしを

あたたかな愛で包んでくれた

 

あれもたぶん消えちゃった

あなたから

 

わたしの言葉もまた泡なのね

もう思い出せない

ただあなたの中でわたしがゆっくり

静かに漂ってるだけ

 

届かない

溶けていく

混ざっていく

 

心地よく