真上の月

私が彼に「あ、月」と呼びかけたら、一緒に月を見上げた。あの瞬間がずっと残ってる。

「明日はスーパームーンらしいですよ」

「見れるといいね」

私は明日雨が降ること知ってた。だけど彼といるときは、晴れていることを願う。

なぜならあなたが晴れて良かったと喜んでくれるから。

あなたのその笑った顔が好きだよ。

もっと笑わせたい。

私の目を見て話してくれる。

一度も目を離さずに、たまに褒めながら

聞いてくれる

ちょっといたずらな顔が好きだ

 

手が大きいあなたと手のひらを重ねたとき

この人の優しさに包まれたいと思った

 

私が溢れないようにすくってくれる

そんな手を持った少し寂しそうで優しいあなたに

私はとことん甘えたくなった

料理を取り分けるあなたもタバコを吸うあなたも

私だけの時間

 

コインロッカーに荷物を今までの私を

ぎゅっと詰め込んでさよならしてきた

 

これからあなたと会う私は

あなただけの私になるって

 

そんな気持ちであなたを待って

まだ知らないあなたをたくさん知れた夜

 

知ってしまったばかりに

もう会いたくなっている

あなたの優しさに触れたい

 

包まれたいと思ったのは、初めて

プッと吹いて笑うあなたの笑いジワを

私だけしかしらない空間を

終わらせたくなくてずっと笑わせてあげたい

 

あなたに包まれるお返しに笑顔をあげたい

私にできることなんてそれくらいかな

それ以上だったらまた目を見て話してほしい

 

悲しみを背負っている人がやっぱり好き

悲しみから生まれる優しさは本当の愛だから

信じられる、その愛だけは信じてもいい

 

この時間が深く根っこのように

広がっていけばいいな

 

あなたが少年に帰る時も

大人になる時も笑ってそばにいたいな

 

私の心の少女がずっと待ってる

待ってちゃだめだから

代わりに私が動くよ

 

待っててね私

あなたのスーツが今もときめかせるの

飽き性な私を