無題
誰にも会いたくないと思って、家を出た。そういう時の方がいいことがある気がする。誰かに良く思われたくて出掛けた方が、何かと災難に遭う。
みんなの時間の流れを知りたい。電車に乗ってる時間、たった30分でも朝から夜くらい長く感じる。これは少し大袈裟かも。でも、それくらい退屈で、電車の窓に映る自分の顔を見ちゃったり目の前の人の携帯画面見えちゃったり嫌だなあ。見たくないのに。こんなにぶすっとした自分の顔も、携帯に映る文面も。誰にも会いたくないのに、強制的に自分の余裕のなさを知らされる。
あーあ、退屈なだけなのに。
カレーパンの匂いを漂わせて、電車に乗る。
迷惑きわまりないけど、なんだかわからない。カレーパンが無性に食べたくて買ったんじゃない。今日までの自分が食べてみたいと思っていたから買った。
それだけだから、責めないで。
大学の建物を見て、自分の身分を自覚する。
風、強いな。そんなこともきっとここに来なかったらわからなかったんだ。君と会った、これもここに来なかったら笑えてなかった。
なんか面白そうなことも知り得なかった。
私は私であるけど、時間の流れが私を左右しているようで、なんだか危ない気持ちになる。
私が思っているより、時間というものは歪な形をして、運命というものは稀に起こらないと意味がないのかもしれない。だから、あなたと会えないのはきっとそういうことか。
稀だから、感動してしまう。稀だから愛しい気持ちが増すのかもね。でも予告してほしい。じゃないと、悲しみがこのまま自分の中に溶け込んで「普通」になってしまうから。そんな「普通」要らない。あなたと「普通」になりたい、ただその願いを稀に起こる運命という言葉で紛らわさないでほしい。
運命なんていらないから「普通」を頂戴。
図々しさから始まる、何かがあって、でもそれはそのことも気にしないような人が始めているのかもしれない。気にしがちな私はまだ内気で、待っている、図々しくなれない、そんな自分をどうにかしてほしいと、
また何かに刺激をもらい狼狽える。
このブログを書くようになってから、ファンができた。そのことによって、私は直感で書くことに少し臆病になった。
私の直感が、彼ら彼女らに残るのかわからなくて。
もう35個もブログがあった。おかしいな。
もっと少ないはずなのに、内容かな。でもその時の私を解放させていたのは確かだ。
いっそこのこと、私のことを何も知らない人にも読まれたいと思うようになった。
でもそんなこと、どうでもいい。
言葉というもの。そのものを大切にしている人に読んでもらえたらきっと私の言葉たちは、羅列された文字ではなくて、言葉として届くから。
こんな風に、カレーパンが匂うみたいに
臭いことをいつまでも頭に漂わせていたい。