傘
「傘の中に2人一緒に入ろうね」
雨は冷たくて、鬱陶しくて厄介。
だけど、音はシトシトと心を慰めてくれる。
あなたの側で、この音を聞くことができたら、
私は冷たくて厄介なものから守られている証拠。
別々の傘をさして、出会って
どっちの傘に入るか、なんだか結婚みたいだ。
どちらの道に進むのか、別々の傘を持って
お互いの顔を覗き合うのは違うのか。
多分それは、恋なんだろうと。
見たくないものは傘でそっと顔を隠す。
顔を隠さずに、君と向き合いたいと互いに思った時、
君と一緒にいたいと思った時
あの音をあなたと聞けるようになるのかな。
そんな風になりたいと思いながら
降り続ける雨を眺めて、会いたいと恋い焦がれる。
傘の中で、2人一緒に見つめ合う。
まるでクラッシックが流れているかのような
空間であなたと歩いていたい。
この傘からどちらも飛び出さないように、
手を繋いだり、肩を組んだり、
時には抱きしめ合ったりして、
あの音を心ゆくまで2人で聞こうね。
そんな傘みたいな生活を、愛と呼びたい。